多摩川流域には、都市の生活利便性と豊かな自然環境、科学技術の集積など、持続可能な未来に必要な要素がたくさん詰まっています。新たな文化経済圏としての可能性について語ってもらいました。

かわまちづくり

澁谷 慎一

国土交通省関東地方整備局 京浜河川事務所長

昭和62年4月建設省入省(現在の国土交通省)し、国家公務員として河川・ダム等の国土の社会的資本整備に携わる。平成28年6月独立行政法人水資源機構ダム事業本部ダム事業部次長、平成29年7月中国地方整備局建政部長を経て平成30年4月現職

Q1. TAMA x [  ] あなたなら何をかけあわせますか?

かわまちづくり。多摩川沿川のまちを活性化するために、多摩川の景観、歴史、文化及び観光基盤などの「資源」や地域の創意に富んだ「知恵」を活かして、市町村、民間事業者及び地元住民と河川管理者が連携し、実現性の高い水辺の整備・利用に係る取り組みを今後進めていくことが重要と考えています。民間の取り組みと連携する事により河川空間とまち空間が融合した良好な空間形成を目指していきます。

Q2. 2025年にどんな多摩川にしたいですか?

多摩川流域中期ビジョン2025に向けて、これから様々な提案が皆さんよりなされると思います。多摩川の潜在的可能性はまだまだ発掘され尽くしていません。また、今年は多摩川改修100年目節目となることから、これからも魅力ある多摩川を保全・創造し、次世代を担う子供達の未来へ豊で活力のある地域となる取り組みを期待しています。

 

木材

秋吉 浩気

VUILD株式会社代表取締役 CEO

アーキテクト/メタアーキテクト。1988年大阪府生まれ。「住む事と建てる事」が極端に分離している状況を革新すべく、デジタル建築技術を用いた建築テック系スタートアップVUILD(ヴィルド)を神奈川県川崎市に設立。芝浦工業大学工学部建築学科にて建築設計を専攻、慶應義塾大学政策・メディア研究科田中浩也研究室にてデジタルファブリケーションを専攻。日本建築学会建築雑誌編集委員。

Q1. TAMA x [  ] あなたなら何をかけあわせますか?

木材。流域圏で生きるということは、森と共に生きるということだ。なぜなら、良質な森が良質な水を作るからだ。木を育て、二酸化炭素を貯蓄したのちに伐採し、加工した後に日用品として用い、使いこなした末に燃料として再利用し、また植える。このような持続可能な循環系の構築を目的として、上流で伐採された木材を下流の都市部で利用促進するために、デジタル加工技術を活用し市民と森とをつなぐ活動を続けていきたい。

Q2. 2025年にどんな多摩川にしたいですか?

このようなサーキュレーションを実現する具体的なプロジェクトとして、多摩産材を用いて公共空間をリノベーションするプロジェクトを推奨したい。とりわけ実施すべきが、最下流である羽田・殿町エリアにおける、人々が滞留したくなる川辺風景の創出である。海外からやってくる観光客が真っ先に訪れたくなるような「日本の玄関口」を、上流で採れた木材を用いて、下流の市民と共にデザインしたい。

エコロジカル

ネットワーク

新産業創生・起業

防災

涌井 史郎(雅之)

東京都市大学特別教授

岐阜県立森林文化アカデミー学長

なごや環境大学・学長

愛知学院大学・経済学部・特任教授

東京農業大学・中部大学高等学術研究所・客員教授

東京農業大学で造園学を学び、その後東急グループの社長を務め、大学に転身。多くの国内博覧会や愛知万博にプロデューサーとして参与。都市土木・建築を実践的に学び国や地方自治体の委員会・審査会などの座長・委員長委員を歴任。首都高速大規模更新検討委員会委員長、環境省国立公園満喫プロジェクト有識者会議委員長、中央環境共審議会委員など。

Q1. TAMA x [  ] あなたなら何をかけあわせますか?

エコロジカルネットワーク、新産業創生・起業 、防災。 

世界で大都市を貫通する都市河川でありながら、その汚濁の歴史を克服し、自然地の回復を果たした事例は多摩川を除いてそう多くない。河川本来の機能に加え、生態系回廊や防災などのグリーンインフラの機能は、自己解放を必然とする知価創造型で経済を牽引し、幸福感を尺度とした個の輝く暮らしが条件となる未来都市を支える。

Q2. 2025年にどんな多摩川にしたいですか?

成長のみならず成熟を目指す近未来のライフスタイルの必然的条件。解放感と身近な自然共生の暮らしが担保されてこそ知的生産が可能と言われている中で、広大でしかも列島を横断する水系のグリーンインフラ多摩川が、巨大都市東京から手の届くところを流下する価値は極めて大きい。しかも大災害や緊急時にその回廊としての存在は大きな機能を果たすであろう。

 
 

MaaS

岩本 匡史

日本電気株式会社 公共・社会システム営業本部 本部長代理 兼 東京オリンピック・パラリンピック推進本部 エグゼクティブエキスパート

同社で国内の流通、製造の民需系企業の営業経験後、新事業開発に従事。クラウドサービスと携帯電話とRFIDを活用したトレーサビリティ事業、クラウドサービスによるEV充電システムやHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)と太陽光などの再生エネルギーと蓄電池を利用したスマートエネルギー事業に参画。近年は空港などのコンセッション事業への参画企画活動を通して、スマートシティ事業への取り組みを遂行している。

Q1. TAMA x [  ] あなたなら何をかけあわせますか?

MaaS。その日の天気や気分によって、歩いたり、自転車に乗ったり、時には自動運転車や自動運転渡し船を利用する。テレワークと公共交通手段とMaaSを上手に組み合わせることで通勤通学混雑から解放される世界を皆さんと創りたい。誰でも利用できるバリアフリーな移動手段をAI含めた自動運転技術とIoTの進化で実現させたい。その名も「TAMAaS」。歩く、走る、サイクリングする、自動運転車で移動する、自動運転渡し船で川を渡る。

人にも環境にも優しい自動運転車が羽田から二子玉川までを結びます。川辺はもっと自由になれる。

Q2. 2025年にどんな多摩川にしたいですか?

流れゆく景色を見ながら仕事をしたり、談笑をしたりする。のんびりと移動することが素敵な仕事の一環になるようなリバーサイド。多摩川でほっとする。多摩川で考える。多摩川で出会う。多摩川で活き返る。空と緑と水面を眺めながら、様々な機会を生み、色々な経験を育んでいく。川辺はもっと自由になれる。週末だけの川辺から日常の川辺への開放・拡大。そんな多摩川を皆さんと創り上げていきたいと思います。

 

巡りの輪

佐宗 邦威

株式会社BIOTOPE 代表/Chief Strategic Designer

東京大学法学部卒。イリノイ工科大学デザイン学科(Master of Design Methods)修士課程修了。P&Gにて、ファブリーズ、レノアなどのヒット商品のマーケティングを手がけた後、ジレットのブランドマネージャーを務めた。ヒューマンバリュー社を経て、ソニー(株)クリエイティブセンター全社の新規事業創出プログラム(Sony Seed Acceleration Program)の立ち上げなどに携わった後、独立。B to C消費財のブランドデザインや、ハイテクR&Dのコンセプトデザインやサービスデザインプロジェクトを得意としている。「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」著者。京都造形芸術大学創造学習センター客員教授

Q1. TAMA x [  ] あなたなら何をかけあわせますか?

巡りの輪。私は、21世紀の未来を作るのは、自然との共生と、価値の循環だと思っています。今は、自宅、スタジオ共に二子玉川に置いていますが、これは未来の価値創造のビオトープでありたい、というイメージに東京近郊で一番近いのが多摩川だったからです。生態系は、常に価値が自分ではない誰かに巡っていって成り立っています。多摩川流域を、未来の循環経済と未来のライフスタイルのうまれてくる、巡りの輪の生まれるスタートポイントに出来たらいいなと思います。

Q2. 2025年にどんな多摩川にしたいですか?

私は3歳の娘を持った父親でもあります。自然の近くで働き、家族と職場と自分の心が調和しているそんなライフスタイルを送れる場にしていきたいです。都市周辺で一番貴重な自然を大事にしつつ、子供が河原にアクセスして自然から学んだり、逆にドローンのようなテクノロジーに親しんだり、作ったり、表現するキャンバスとして多摩川の自然が生かされていく未来を見たいと思います。

 

職住近接

髙橋 俊之

取締役 常務執行役員 都市創造本部長

昭和57年4月  東京急行電鉄株式会社入社

平成23年7月  同社執行役員

平成24年10月  同社執行役員 国際事業部長

平成25年4月  同社執行役員 都市開発事業本部 都市戦略事業部長

平成26年4月  東急ファシリティサービス株式会社 取締役社長

平成29年4月  東京急行電鉄株式会社 執行役員

        都市創造本部副本部長 兼 開発事業部長

平成29年6月  同社取締役

平成29年7月  同社取締役 執行役員 都市創造本部長

        兼 都市創造本部 開発事業部長

 平成30年4月 同社取締役 常務執行役員 都市創造本部長(現)

           兼 都市創造本部 渋谷戦略事業部長(現)

        現在に至る

Q1. TAMA x [  ] あなたなら何をかけあわせますか?

職住近接。当社は、2015年に33年間かけて再開発「二子玉川ライズ」を完成させました。それまで住宅と商業の街だった二子玉川に、新たに「働く」という要素を追加することで、「職住近接」という新しいライフスタイルを提案しております。多摩川流域エリアは、都心から10分程度の場所に、豊かな自然を有しており、世界の都市を見渡しても稀有な地域です。その良さを生かして、二子玉川だけでなく、流域全体で職住近接のライフスタイルを実現していきたいと考えています。

Q2. 2025年にどんな多摩川にしたいですか?

多摩川の両岸には、世界を代表する大企業をはじめ、中小の町工場、大学などの研究機関などが数多く存在しています。現在は、それぞれの結びつきはあまり強くないため、そのポテンシャルを十分に生かせていない状況です。そのため、2025年頃までには、それぞれの交流を促すような取り組みを行うことによって、新しいイノベーションが起きるエリアへと変化させ、世界中から注目されるような日本を代表する地域へと成長させたいと考えています。

 

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